大きな部屋に10つほどキングサイズベッドが一列に並んでいる。
それぞれのベッドに一人または二人が横になっていた。
私はアジア人男性がいるベッドに入った。私の恋人らしい。
その男性は何故かイライラしていて私を罵倒し始めた。私は何も言い返せず男性が眠るのをじっと待った。
男性の寝息が聞こえてきたのでゆっくりと静かにベッドから出て部屋を出た。
部屋を出ると管理室みたいな部屋があり、そこで荷物をまとめていた。すると30代の白人女性も来て大丈夫か尋ねきた。女性は恋人の罵声を聞いていたらしく、私は大丈夫だと軽く笑顔をつくった。
さらに5人白人女性と男性が出てきて今から日本に帰国するのか、こんな真夜中にフライトはあるのかなど心配そうに聞いてきた。そこでここがカナダのバンクーバーであることを知った。
私は現在地が分からなかったけど時間はたくさんありそうだし歩いて空港に行くと言った。みんなの反応から途方もないほど遠いらしく1人の女性が家に泊めてもいいと申し出てくれた。ありがとう、と言おうとした時に扉が開き恋人が出てきた。
私は急いで机の下に隠れたが見られてしまった。恋人は罵倒したことを帳消しにしたいというような優しい口調でお腹は空いていないか聞かれた。その時の声で恋人が誰であるか分かった。その人はいつも空腹ではないか聞いてきていた。
私は空いていないと言ったけど、少し噛んでしまったのでもう一度、空いていないと言った。
恋人は同じこと2回言ったね、と笑った。
お腹が空いていないか聞いてきた口調も、笑ったことも、恋人がちゃんと私が傷ついていることを理解していることも全部悔しくて、白人のみんなが本当に親切で優しくて涙が出てきた。
そして目が覚めた。
カナダに行ったことはない。