砕石がぶつかり合う音が心地よかった
30~40mm程の大きさの砕石で地面が覆われている景色が一面に広がっている。
私はファットバイクに乗ってそこを走っている。小さな丘がいくつもあって登りも下りもバランスを崩しそうになった。
後ろに20代前半の男女もいて楽しそうにおしゃべりをしている。
すると後方から別の男性が1人私たちをスイスイと追い抜かしていった。まるで舗装されたコンクリートの道路を走ってるみたいだった。
後ろにいた男女が「あれが監督だよ」と言った。
私たちはダンサーとして誰かのMVの撮影のため廃墟となった北京の街をファットバイクに乗って撮影地に向かって走っていた。
私たちは撮影の帰り道をファットバイクを押しながら歩いている。
一緒に来た男女が私の前を歩いていておしゃべりをしていて男性の左足は膝から下が金属の義足で素足だった。砕石で金属が痛まないか心配だったけど金属の義足の素足が格好良かった。
2人はファットバイクに乗って帰っていったけど私はその場に座り込んでスマホみたいなガジェットで「入航」と打ち込み画面に表示された監督の写真を拡大した。一重で日焼けしており、髪の毛は顎くらいの長さで緩くパーマがかかっており栗色だった。
「サーファー?」
私は独り言を言って砕石の景色を眺めた。
そして目が覚めた。