一緒に住んでいた男の人の顔にはいつも靄がかかっていた。
少し古びた街の一軒家に男の人と二人で住んでいる。内装は洋風だった。
私たちの手持ちの物は少なく特定の帰る場所はなさそうだった。今住んでいるこの一軒家も私たちの家ではないようだった。
私は玄関の外にいてかばんにiPhoneの充電器があるか探しながらコートを地面に置いた。
すると家の中から数人の男の人の声がして私は身をかがめた。物音を立てないようにしばらくじっとしていた。
男の人達は2階へ上がっていくと、一緒に住んでいる男の人が玄関からゆっくりと出てきてジェスチャーで行こうと言った。
私はかばんを掴んで走り出して、「コートを持ってくるのを忘れてしまった」と思って後ろを振り返った。「もういいや」と前を向くと男の人の姿はなかった。
私はそれでも走り続けると街が終わりシアターにあるような重厚な赤色のドアが一つあった。
そのドアをゆっくりと開けるとドアの向こう側には本棚がたくさん並んでおり貸出ができるカウンターもあった。みんな西洋人だった。
そこは図書館だった。
ドアを閉めるとドアの上に「昔の街並み」と書いてあった。
混乱しながらも俯きながら図書館の出口を探し回った。
出口を見つけ、一緒に住んでいた男の人のことは考えずに、外へ出た。
夜だった。
そして目が覚めた。