私はベッドで横になっている。
誰かが「行くよ」と私に言った。
私は立ち上がった時に左上の奥歯がグラグラしていることに気付いて舌で動かした。
すると歯はポロリと抜けて舌の上に落ちた。痛くはなかった。
私はとても冷静に「ちょっと待って、歯が抜けた」と言って口から抜けた歯を手にペッと出そうとした。
そして目が覚めた。
今も舌の上に歯が落ちた感覚が残っている。
私は白い空間に立っている。
目の前には男女が立っていて女性は怒った表情をしていて、男性は足元を見ていた。
私か、女性か、それか私たち2人ともが浮気相手らしい。
私は男女ともに知らない人だし、特に怒りも悲しくもなかった。ただ、空気が気まずかった。
私は後ろを向いて走り出して落ちていた全長100㎝程ある筆を手に取って白の床に
「人生の基本はうまい飯」
と書いた。
そして目が覚めた。
覚めた後、唾液でむせて10分間くらい咳き込んだ。
少し古びた街の一軒家に男の人と二人で住んでいる。内装は洋風だった。
私たちの手持ちの物は少なく特定の帰る場所はなさそうだった。今住んでいるこの一軒家も私たちの家ではないようだった。
私は玄関の外にいてかばんにiPhoneの充電器があるか探しながらコートを地面に置いた。
すると家の中から数人の男の人の声がして私は身をかがめた。物音を立てないようにしばらくじっとしていた。
男の人達は2階へ上がっていくと、一緒に住んでいる男の人が玄関からゆっくりと出てきてジェスチャーで行こうと言った。
私はかばんを掴んで走り出して、「コートを持ってくるのを忘れてしまった」と思って後ろを振り返った。「もういいや」と前を向くと男の人の姿はなかった。
私はそれでも走り続けると街が終わりシアターにあるような重厚な赤色のドアが一つあった。
そのドアをゆっくりと開けるとドアの向こう側には本棚がたくさん並んでおり貸出ができるカウンターもあった。みんな西洋人だった。
そこは図書館だった。
ドアを閉めるとドアの上に「昔の街並み」と書いてあった。
混乱しながらも俯きながら図書館の出口を探し回った。
出口を見つけ、一緒に住んでいた男の人のことは考えずに、外へ出た。
夜だった。
そして目が覚めた。
書類が散らばった部屋でブランケットをかけて右向きで膝を抱えた状態で雑魚寝をしている。
頭はぼやっとしていてもう一度眠りたくて目を閉じている。
少し離れたところから書類を踏む音がしてゆっくりと近づいて来る。
私の頭あたりで音は止まり、気配を感じた。
鼻に何か冷たくて湿っぽいものが触れたと同時に頬にふわふわの毛も触れてくすぐったかった。
足音は私の体の周りを一周した。
そして私の首のあたりからブランケットの中へと入りこみ、抱えていた膝の中で丸まった。
そして目が覚めた。
私はベッドで仰向けになって白い天井を見ている。
顔の右横あたりに急にフッと気配を感じ、目線だけを右に向けた。
そこには8歳くらいの子供が立っていた。髪は栗色で肩のあたりまであり、ぼさぼさで絡まっていた。服は大人の男性用の半そでTシャツを着ていて薄クリーム色っぽかったが、それはもともとの色合いなのか汚れているのか分からなかった。少女なのか少年なのか分からなかった。
ネグレクト?と私は思った。
その子供はまっすぐ前を見つめ立っていた。
そして目が覚めた。